2010/02/07

旧友は春に帰る

















http://bit.ly/dlG4dO

東直己氏の新作を読了。
東氏のススキノ探偵シリーズは大学生のころ、正確には1995年に出会って以来、今日まで読み続けてきている。
第1作の「探偵はバーにいる」を手に取ったのは、当時住んでいた松本市内の、お城の近くの書店だった。
たしか夏の暑い日だったように思う。そのときの印象をまだ覚えている。

第1作の時点で、主人公「俺」は25歳かそこらの青年だったように記憶しているが、上記の作品では52歳になっている。10作で四半世紀を経過させるというシリーズもなかなか無いように思うのは、自分の読書量が足りないだけか。
さらに、本作ではその1作目以来の登場人物が複数登場して、なんだかこちらも懐かしい気持ちになった。

探偵モノであるので、ストーリーについては記載したくないが、東氏の手によって表現される哀愁は作を追うごとに冴え渡ってくるような気さえする。

指折り数えてみれば、自分もあれから15年分、年を取ってしまっている。
ストーリー中である登場人物が老けた老けたと嘆いていたが、他人事ではないなと思った。
心はいつでも17歳だけど、そうも言ってられなくなってきた。

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